【MSoG】仁義なきガジェッツァン特集Part.2 - カードプレビュー第一巻


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▼ 《パワー上納 / Pilfered Power》

▼ 《忘却王クン / Kun the Forgotten King》

▼ 《ピラニアランチャー / Piranha Launcher》

▼ 《ハイ!なソウルキャスター / Manic Soulcaster》

▼ 《高飛びコドー / Getaway Kodo》

▼ 《仁義なき地回り / Meanstreet Marshal》

▼ 《三下連合 / Small-Time Recruits》

▼ 《ウィッカーフレイム・バーンブリストル / Wickerflame Burnbristle》

▼ 《偽造コイン / Counterfeit Coin》

▼ 《蓮華凶手 / Lotus Assassin》

▼ 《縮小ポーション / Pint-Size Potion》

▼ 《狂気ポーション / Potion of Madness》

▼ 《カバールのカギ爪のプリースト / Kabal Talonpriest》

▼ 《ドラコニッド諜報員 / Drakonid Operative》

▼ 《ドラゴンファイア・ポーション / Dragonfire Potion》

▼ 《使えるヤツを知ってるぜ / I know a guy 》

▼ 《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》

▼ 《飛刀手流忍者・六丸 / Finja, the Flying Star》

▼ 《二流の強面 / Second-Rate Bruiser》

▼ 《暗黒街の大物 / Big-Time Racketeer》



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《パワー上納 / Pilfered Power》


使用クラス: ドルイド
カードタイプ: 呪文
注釈: 10マナで使用しても《過剰マナ / Excess Mana》は獲得できない
◆ カード分析
マナ加速はDruidクラスを象徴する要素ですが、他のカードとの組み合わせを必要とするものは初めての試みとなります。非常に興味深いカードなので仕様を確認しておきましょう。

このカードは使用時点の自分のフィールドに存在する味方ミニオンの数だけ空のマナクリスタルを獲得します。ミニオン1体ならクリスタルひとつであり、《野生の繁茂 / Wild Growth》より1マナ高価です。盤面に2体のミニオンが存在すれば《滋養 / Nourish》の効果をたったの3マナで得ることができます。なお、Adwctaのリポートによると、このカードは10マナ時点で使用しても《過剰マナ / Excess Mana》のTokenを獲得することはできないそうです。(Source)

さてこのカードはどんなデッキに適しているものでしょうか。一般的にミニオンを横に並べることが少ないDruidの性格からするとあまり汎用性は高くないように感じられます。《生きている根 / Living Roots》と同時に使用することで2マナ分獲得することは確かに可能ですが、カード2枚分の価値としてはどれほどバリューなのか疑問が残ります。盤面にミニオンを残しやすい《騎乗用ラプター / Mounted Raptor》を用いるAggro、または《ヴァイオレット・アイの講師 / Violet Teacher》によってTokenを量産するデッキにおいて使用価値が認められる可能性があるでしょう。




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《忘却王クン / Kun the Forgotten King》


使用クラス: ドルイド
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
旧神エクスパンションで追加されたShamanの4/7/7はHearthstone memeのひとつとなりましたが、今回新たに追加されるのはなんと0マナ7/7です。オーマイゴッド、これはもうゲームのバランスが崩壊してしまうのでしょうか。ということは恐らくないでしょう。7/7というサイズの脅威が4ターン目に出現するのとは話が異なり、この新カードは《練気 / Innervate》などのマナブーストが無ければ10マナを必要とします。マナ回復を選択すれば0マナで7/7ミニオンを置けることは強力な行動であることは間違いありません。しかし10マナを要する局所的な状況であり、その時間帯には7/7というサイズもそこまで大きな脅威とは言い難いでしょう。

このカードの興味深い点は装甲/Armorの獲得かマナの回復かを選択できる能力にあります。この柔軟性はControlデッキ等を相手にする場合に効果的であり、ボードワイプを警戒しつつ自身の体力保護を行いながら7/7のミニオンを置くという行動が効果的な局面は想像できます。相手にその手段が無いのであれば、単純にボードを広げてプッシュするための0/7/7として使用すれば良いでしょう。もちろん《ファンドラル・スタッグヘルム / Fandral Staghelm》とのシナジーも実現できれば強力です。実際にラダーや競技的なシーンでこのミニオンが使用されるかは環境次第としか言いようがありませんが、カード単体で見た場合はそこそこ魅力的という評価に落ち着くかもしれません。

そして言うまでもなくカードコンボの材料として見る場合は、このカードには飛躍的な可能性が秘められています。《アヴィアナ / Aviana》とのコンビネーションによって手札のミニオン達を1マナで召喚できる状態になりつつマナをフル回復することにより、様々なカードコンボの選択肢が考えられるでしょう。ただしそうした複数枚のカードを必要とするコンボの成立は難しく、ファンデッキの域を脱する見込みは低いと考えられます。そして何より、TGTエクスパンションの《アヴィアナ / Aviana》は来年のスタンダードによって消えてしまうのです。




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《ピラニアランチャー / Piranha Launcher》



使用クラス: ハンター
カードタイプ: 武器
注釈: Tokenミニオンのピラニアは獣/Beast
◆ カード分析
召喚されるTokenミニオンは獣/Beastの種族特性を持ちます。武器自体については、5マナで合計8ダメージではあまりダメージ効率が良い武器とは言えません。Tokenを4体生み出すこと、そしてそのTokenに獣/Beast種族特性が付加されているとしても、現行のHunterクラスが求めているカードではなさそうです。5ターン目はリーサルから逃れられないように相手を追い詰める布石として、獣/Beast属性のミニオンをドロップしたほうが百倍マシな行動です。

1/1Tokenの生成と高い耐久度/Durabilityによって、相手と有利なトレードを行うカードそのものの価値はぎりぎり認められます。ControlだけでなくMidrangeまで《ハリソン・ジョーンズ / Harrison Jones》を握っている現在のような状況にはリスクが大きすぎます。

仮にカウンターカードの存在を抜きにしても、テンポに遅れるカードを1/1のTokenという価値のために使用することはHunterというクラスの性質にそぐわないものです。




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《ハイ!なソウルキャスター / Manic Soulcaster》


使用クラス: メイジ
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
非常に面白いカードであるものの、実際に運用を考えると難しい典型例といえるでしょうか。すでにボード上に存在する味方ミニオンを指定してデッキにコピーを差し込むという効果は、一部のミニオンとの組み合わせにおいて驚異的な効果をもたらします。例えば《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》などを複製できれば多大な価値を生み出すでしょう。ただしその恩恵を享受するのに時間がかかるというのが難点であり、Reno MageやControl Mageなど長い時間をかけて戦うデッキでなければカードバリューを引き出すことが難しいものです。

ミニオン本体は3マナ3/4と十分なスタッツを持っていますが、3ターン目での使用はカードをドローするわけでもなくテンポの上でも単なるバニラミニオンとなんら変わりません。《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》のようにデッキから無理やり召喚したりカードをサーチするようなギミックが追加されない限り、Tempo Mageでの利用は考えにくいものです。

このミニオンの真価は既に召喚したミニオンのコピーを作成すること、そのコピーは実質的にデッキの枚数を30枚から31枚へと増やしていることにあります。他の価値あるミニオンを増やすことにより疲労/Fatigueに耐性を持つControlデッキか、Reno Mageか、または特定のキーカードでコンボを行うデッキにおいて日の目を見る機会があるかもしれません。




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《高飛びコドー / Getaway Kodo》


使用クラス: パラディン
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
Mageの《複製 / Duplicate》が3マナだったのと比べて、こちらは1マナでカード1枚を複製します。価値あるミニオンが破壊されても再使用できることは様々に利用価値を想像できますが、このカードの使い所は難しいでしょう。

まずこのカードは破壊された味方ミニオンを手札に戻すため、テンポにおいては何らプラスに働きません。その他の秘策/Secretと相性もあまり良いものではなく、とりわけ《身代わり / Noble Sacrifice》との組み合わせは最悪です。テンポを重視するかつてのSecret Paladinのような構成にはそぐわない性質であることは明白でしょう。

このカードの妥当な利用手段としては、やはり価値あるミニオンを手札に再度補充することに重きが置かれるのではないでしょうか。デッキに1枚しか入らない有力なレジェンドミニオンを多数使用するN'Zoth Paladin、または《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》《光の王ラグナロス / Ragnaros, Lightlord》の兄弟、他にもAnyfin Paladinでマーロック/Murlocミニオンを増加させるのも効果的です。




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《仁義なき地回り / Meanstreet Marshal》


使用クラス: パラディン
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
同様の役割としては《ルーンの卵 / Runic Egg》が思い浮かびます。Buff手段を豊富に備えたAggro Paladinに採用されていたカードであり、異なる点はbuff効果を受けていなければカードを引けないこと、そして1アタックを持っているためbuffがなくとも行動できる点です。

この異なる点こそがまさに、buff手段が手札に無い時の《ルーンの卵 / Runic Egg》の問題を解消するものです。他の新カード《三下連合 / Small-Time Recruits》とも相性が良く、ミニオントレードしつつカードサイクルする手段として有効に機能するでしょう。

《ダークシャイアの管理官 / Steward of Darkshire》のbuff対象とならないことは残念なものの、異なるbuff効果との組み合わせによってAggro Paladinの再生に一役買うことを期待されます。




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《三下連合 / Small-Time Recruits》


使用クラス: パラディン
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
3マナでカード3枚のドローは恐ろしく強力です。その代償としてドロー対象が1マナミニオンに制限されており、Aggroデッキ用のカード補充手段として実装されることは明らかです。このカードを考えるには同じPaladinの《神聖なる恩寵 / Divine Favor》との比較が必要になるでしょう。

どちらも同じ3マナコストのスペルであり、《神聖なる恩寵 / Divine Favor》のドロー枚数は対戦相手の手札枚数に依存します。かたや新カードは必ず3枚の1マナミニオンを(デッキに存在すれば)ドローするため、相手のデッキタイプや自分の手札枚数の状況に依存せず一定であるという利点があります。前者のカードドローはデッキから順番に引かれるためマナカーブに則したカードを引く可能性がありますし、裏目に出る可能性もあります。そして新カードは1マナミニオンというパワーレベルの低いカードに限定されますが、ある程度狙ったカードドローを実現できます。

以上の性質の違いにより、どちらが優れているかという評価は妥当ではありません。この新カードは1マナミニオンを意図して補充するための手段であり、シナジーを持つカードと組み合わせるためのデッキ構築において必要とされるカードになります。旧神エクスパンションの《ダークシャイアの管理官 / Steward of Darkshire》マーロック/Murloc種族のシナジー、または新カードのミニオンbuff能力に特化したデッキの開発を促し、Aggro Paladinに留まらずユニークなコンボデッキが登場することを期待させてくれます。




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《ウィッカーフレイム・バーンブリストル / Wickerflame Burnbristle》


使用クラス: パラディン
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
そのスタッツと能力から非常にディフェンシブな性格のカードであることは明白であり、MidrangeやControl Paladinを愛好するプレイヤーにとっては胸が踊るようなカードです。聖なる盾/Divine Shield挑発/Tauntの組み合わせによってこのミニオンの破壊には2回のアタックを必要とし、スペルで処理されない限りは4点の回復を保証してくれます。付け加えてヒーローへの攻撃を肩代わりしてくれることにより、4点回復以上の防御能力を期待できるカードです。

言うまでもなくアビリティの性質はbuffと相性が良いため、Paladinクラスに多数存在する強化スペルで更なる回復能力を見込めます。仮にbuffスペルを持たないピュアコントロールであっても採用する価値はありますが、デッキの構成次第でさらなる価値を期待できる点は興味をそそられます。

さてこのカードはどんなデッキで採用されるでしょうか。Controlは当然として、次世代のMidrange Paladinという可能性が隠されているように思えます。まずbuffスペルを入れる枠が存在することが理由のひとつ。そして、テンポに寄与しないヘルス回復のスペルを使う余裕の無いMidrange Paladinにとっては、ミニオンで相手ミニオンと相殺しつつ体力を回復する手段とはまさに理想的な盾となります。エクスパンションがリリースされ次第、まずわたしはこのシールド・ミニ・オヤジを作成するでしょう。




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《偽造コイン / Counterfeit Coin》


使用クラス: ローグ
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
後手のプレイヤーに配られる《コイン / The Coin》と同様の効果を持つカード。言うまでも無くRogueというクラスにとって《コイン / The Coin》は貴重なツールであり、これをデッキに意図して加えられることは驚きを隠せません。来年のスタンダードで《墓荒らし / Tomb Pillager》が脱落することを見越したカードの追加であると予想されます。

この新カードはカード1枚分の価値としては非常に貧弱です。そのターン限定で1マナを増やすだけであり、30枚しかないデッキの枠を埋めるに足るか疑問に思うかもしれません。しかしそれでもDruidクラスが《練気 / Innervate》を欠かさないように、一時的なマナの増加は極めて有効なツールです。Rogueの場合では、様々なカードとのコンビネーションが考えられるでしょう。

言うまでも無くドローエンジンの《ガジェッツァンの競売人 / Gadgetzan Auctioneer》を回転させる燃料となりますし、《ソーリサン皇帝 / Emperor Thaurissan》がスタンダード落ちした後のバーストダメージコンボを助ける使い道もあります。トップデッキ争いで引いたら悲しいカードではありますが、Miracle Rogue・Malygos Rogueの変化を促すきっかけともなるかもしれません。




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《蓮華凶手 / Lotus Assassin》


使用クラス: ローグ
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
能力とスタッツの組み合わせが問題でしょうか、非常に残念な性能に見えます。仮にこのミニオンが2マナ2/2だったなら、Shamanのトーテム/Totemを延々と叩き続けるクリーナーとして使用を考えられたかもしれません。いや、それでも使用されることはあり得ないでしょう。Rogueクラスの現在主流なデッキはMiracle or Malygosのどちらもスペルへの依存が深い構成となっており、ミニオン同士のベターなトレードというこのミニオンの特性とは合致しません。

一方でアリーナでは、他のEpicレアリティと比較しても有利なアドバンテージを作り出せるミニオンです。そこそこのスタッツと永続的な隠れ身/Stealthの獲得は、相手の行動を制限するのに使い勝手が良いものでしょう。

召喚した時点で隠れ身/Stealthを持つことは評価に値し、さらに何かしらの価値あるギミックと組み合わせることが出来れば化けるかもしれません。さもなければ、構築戦で採用されることは考えにくいものです。




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《縮小ポーション / Pint-Size Potion》


使用クラス: プリースト
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
またもやPriestにシチュエーショナルなカードが追加されます。このカードは一時的とはいえ対戦相手のミニオン達全ての攻撃力を低下させるため、単純なところではミニオン同士のトレードに優位をもたらします。

そして真の価値はマナコストの低さを活かした他のカードとのコンビネーションでしょう。攻撃力5以下のミニオンは《密言・恐 / Shadow Word: Horror》で一掃できるようになり、《カバルの影の僧侶 / Cabal Shadow Priest》でスティールが可能になります。その他《密言・痛 / Shadow Word: Pain》《影の狂気 / Shadow Madness》など攻撃力と関連するスペルと相性が良く、《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》《宴のプリースト / Priest of the Feast》もからめて様々に組み合わせる汎用性を持ちます。

ただしカード2枚以上を用いて除去に当たる場合、それ相応のリターンが無ければやはり苦労に見合う価値はありません。《埋葬 / Entomb》がスタンダード落ちしたあとのミニオンスティールとして定着するか様子を見る必要がありそうです。




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《狂気ポーション / Potion of Madness》


使用クラス: プリースト
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
1マナコストで対象が攻撃力2以下の《影の狂気 / Shadow Madness》という性能のカードです。コントロールを奪ったミニオンはそのターン中に限りPriest側がアタック行動をさせることが可能であり、Priestのターン終了後に相手陣地へ戻されます。《刈入れゴーレム / Harvest Golem》などを相手側ミニオンへぶつけ相殺した場合、出現するTokenミニオンの《壊れかけのゴーレム / Damaged Golem》はPriest側のフィールドに残ります。

マナの安さを既存のスペルと比較すればとてもお得に見えますが、残念ながら非常に使い道が限定されたカードです。攻撃力2と攻撃力3の間には千里の隔たりが存在するからです。旧神エクスパンションで追加された《密言・恐 / Shadow Word: Horror》を使用するPriestに出会ったことがあるかを思い返してみましょう。Zooを相手にする場合はこのカードが活きる機会は数多く考えられますが、その他のデッキに対しては有効な状況がそう多くは起こりえません。Hunterの《やさしいおばあちゃん / Kindly Grandmother》をトレードで潰せば召喚されるTokenはPriestの盤面に残ります。しかし、1/1の《やさしいおばあちゃん / Kindly Grandmother》をぶつけて相殺できるミニオンがHunterの盤面に存在するでしょうか?

Controlデッキはカード1枚で相手のリソース2枚を潰すことができれば御の字です。ゆえに《影の狂気 / Shadow Madness》は環境次第では非常に優れたカードです。そして残念ながらこの新カードは単体ではほとんど有効な働きを期待できません。アタック2のミニオンのコントロールを奪ってもう一体と相殺できるような状況はなかなか存在しないからです。かつて存在した《シュリンクマイスター / Shrinkmeister》のように、ミニオンの攻撃力を引き下げるカードとのコンビネーションによっていつか日の目を見ることがあるかもしれません。しかしカード2枚以上を用いるコンビネーションの見返りは相当に必要であり、このカードのギミックではなかなか実現は難しいでしょう。もうひとつの新カード《 / Pint-Size Potion》と組み合わせて無理やり攻撃力2以下にしたミニオンのコントロールを奪うことも面白そうですが、果たして攻撃力を-3した敵ミニオン同士をぶつけて相殺できる状況がどれほどあるのでしょうか?




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《カバールのカギ爪のプリースト / Kabal Talonpriest》


使用クラス: プリースト
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
サンキューベンブロードと思わず中指突き立てたくもなりますが、落ち着いてカードの使用方法を考えていきましょう。このアビリティの性質上は3ドロップとして用いるのが適切です。既にボードに存在するミニオンの生存力を高めつつ、本体も3/4のスタッツを持つことは非常に強固な盤面を作り出します。アビリティ発動のキーワードが雄叫び/Battlecryなので、かつての《闇の教団の使徒 / Dark Cultist》よりも一見使い勝手は良さそうに見えます。

テンポ重視のデッキでこのミニオンの採用は当然として、そこで行き当たるのはやはり1 or 2ドロップはどうするのかという問題です。事前に盤面に置くミニオンが存在しなければ、如何に強力なこのカードも価値はありません。ただの3/4バニラです。カラザンで強化されたミニオン復活ともシナジーが無く、実際の運用では見た目ほど汎用性が高いミニオンであるか疑問です。

周知の通り、Priest専用ミニオンには盤面を確保するのに有効な2ドロップが存在しません。体力+3のbuffを与えて効果的に機能させるには、3ターン目以降もトレード要員として使用するに足る攻撃力2か3の数値が必要です。現状ではDragon Priest以外でこのミニオンを有効に働かせることは難しいでしょう。さらに残念なことに、2017年のスタンダードイヤー更新で《チビ・トワイライトドラゴン / Twilight Whelp》《ワームレストのエージェント / Wyrmrest Agent》は失われます。事前にドロップしたミニオンを強化できなければ単なる3/3/4バニラであり、単純な3ドロップとしての使い勝手は《闇の教団の使徒 / Dark Cultist》に劣る可能性すらあります。

もちろんこのカードそのものは壊れていますが、PriestというクラスにおいてはまだまだOKレベルに留まります。仮定の未来としてDragon Priestがまたもや活躍できなければ、このカードは期待ハズレの烙印を押されるでしょう。もっと踏み込んで言えば、BRMが脱落する2017年のDragon種族デッキはよりControl寄りへと性格を変えていきます。ミニオンによるスノーボールを目指すデッキが他に登場しなければ、このカードはカードコレクションの片隅で埃をかぶるのではないでしょうか。あるいは、アリーナモードでPriestの立場を改善することを目的としたカードなのかもしれません。




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《ドラコニッド諜報員 / Drakonid Operative》


使用クラス: プリースト
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
Dragon Priestへのテコ入れとして追加される新カード。条件付きで対戦相手のデッキからカードを1枚獲得する発見/Discover能力を持っており、同コストの《アジュア・ドレイク / Azure Drake》と比較すると非常に高いスタッツを誇ります。

相手のデッキからカードを取得するのは《思念奪取 / Thoughtsteal》と同様ですが、この能力では取得するカードを選択することが可能です。ちなみに同じ仕様であれば取得候補のカード達は対戦相手がまだ手札にドローしていない残りのデッキから選ばれるので、対戦相手の手の内を類推するための手がかりともなるのです。

このミニオンは手札増加と高いスタッツを併せ持つ非常にバリューが高いミニオンであることは言うまでもありません。ただし、このミニオンの召喚そのものはテンポの面で寄与するところは少なく、単なる5/6のミニオンです。BRMカードセットを中心とする現在のドラゴン/Dragon種族シナジーとは一貫性に欠けているように見えます。さらに言えば、Dragon Priestの5マナスロットには非常に多くの競合する5マナカードが存在します。

この新カードは《アジュア・ドレイク / Azure Drake》と入れ替わるか、もしくは現在のスタンダード中はプレイされる姿をさほど見かけないかもしれません。そう遠くない将来にBRMが脱落した後、《ネザースパイトの歴史家 / Netherspite Historian》《ブック・ワーム / Book Wyrm》などControl-ishな種族シナジーカード達と足並みを揃え、Control Dragon Priestのデッキが完成する時に真価を発揮できるのではないでしょうか。




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《ドラゴンンファイア・ポーション / Dragonfire Potion》


使用クラス: プリースト
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
《光爆弾 / Lightbomb》が失われた痛みはまだ癒えませんが、Priestプレイヤーの涙をぬぐい慰める新カードがようやく登場しました。このカードは勿論Dragon Priestにとって最適なAoEですが、ドラゴン/Dragon種族を利用しない単なるControlデッキでも十分に利用価値があります。カード1枚で6マナ以下のミニオン達の多くを一掃できるからです。

難点と言えば相手の《アジュア・ドレイク / Azure Drake》《フェアリードラゴン / Faerie Dragon》を処理できないことでしょう。他には文句の付けようもないほどエクセレントな除去スペルです。サンキューベンブロード!




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《使えるヤツを知ってるぜ / I know a guy 》


使用クラス: ウォリアー
カードタイプ: 呪文
注釈: 
◆ カード分析
1マナで挑発/Tauntミニオンを1枚獲得できるWarriorの新スペル。発見/Discoverによる選択の幅はありつつも、多分にRNGに依存します。

このカードの用途は主に二つ考えられるでしょう。一つはTGTの《奮起 / Bolster》以来、何度も何度も試みられてきたTaunt Warriorへのアプローチです。カードを選択できる自由度によって、自分が必要とするマナコスト/能力の挑発/Tauntミニオンを手札に加えることが期待できるでしょう。しかしおそらく、Taunt Warrior(もしくはBolster Warrior)の華々しい活躍を見るためにはまだまだ材料が必要なはずです。

そしてもう一つは呪文/Spellであり1マナという低コストのカードであるため、カードコンボの材料として使用される方法です。《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》と組み合わせることで全体1ダメージのAoEを発生させることはマナの安さから容易であり、さらに《魔力の巨人 / Arcane Giant》の召喚コストを低減するためスペルヘビーなWarriorデッキにフィットしています。Control WarriorとGrim Patron Warriorのどちらでも採用を検討される可能性があるでしょう。




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《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》


使用クラス: 中立
カードタイプ: ミニオン
注釈: BlizzConのコンボ動画
◆ カード分析
BlizzConで《集合の合図 / Gang Up》とのコンボが披露されメインステージを大きく盛り上げた新カード。このミニオンには二つのアビリティが設定されており、突撃/Chargeのアビリティは後述の海賊/Pirate召喚とは直接的な関連はありません。

このミニオンの評価には二つの軸があり、そのひとつは海賊/Pirateミニオンを多数採用したデッキにおける0マナで召喚されるアタック要員です。WarriorやRogueで海賊/Pirateシナジーを特徴とするアグレッシブなデッキを組むならば、この新カードは間違いなく採用する価値があるでしょう。この使い方におけるカード1枚の価値は極めて低いものですが、そもそもデッキの山札を底までめくるほどゲームを長引かせるつもりがないデッキではカードバリューの低さは問題となりません。このミニオンをデッキに入れることで、海賊/Pirateミニオン達に0マナ1/1の突撃/Chargeミニオンを召喚するという付加価値を加えることができます。この小さな価値は単純にダメージを付け加えるだけではなく、アグレッシブなデッキが序盤の盤面を確保する大きな助けともなります。

もう一つはBlizzConで紹介されたようにカードコンボの部品として用いる方法です。《集合の合図 / Gang Up》で増加させたこのミニオンは条件を満たせば全て一度にデッキから飛び出してくるため、Buffを与える《南海の船長 / Southsea Captain》と組み合わせてそこそこのダメージ量と盤面を作り出すことができます。ただし《集合の合図 / Gang Up》とのコンボを伺う場合に注意しなければならないのは、海賊/Pirateミニオン召喚という条件を満たせば自動的に射出されてしまうことです。コンボを整える条件を満たしていなければあっさりと相手に処理されてしまう恐れがあり、《集合の合図 / Gang Up》が使える状況でなければ海賊/Pirateミニオンをおいそれとドロップできなくなります。この難点がネックとなるため、テンポのために海賊/Pirateミニオンのドロップを必要とするデッキでは現実的なコンボではありません。




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《飛刀手流忍者・六丸 / Finja, the Flying Star》


使用クラス: 中立
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
なんでマーロックが忍術を習得しているのか疑問ですが、緑色はNINJAという発想なんでしょうか。それはともかくとして、この新カードには(個人的に)胸が躍ります。マナコストとスタッツ、そしてアビリティの発動条件に難があるものの、召喚時点の隠れ身/Stealthによって状況を作り出す猶予はあるでしょう。これは同時に相手のプレイに対する牽制ともなります。

さてこのカードはどんなデッキで使われるのでしょうか。マーロック/Murlocミニオンをデッキから掘り出すことを必要とするデッキになるのは当然として、第一に思いつくのはAnyfin Paladinです。デッキに眠る《ブルーギル・ウォリアー / Bluegill Warrior》《マーロックの戦隊長 / Murloc Warleader》をサーチして《七つの鯛罪 / Anyfin Can Happen》の使用を早めることができます。ただし二回目の《七つの鯛罪 / Anyfin Can Happen》召喚枠を埋めてしまいダメージ量を低下させる懸念は存在します。そもそもデッキの性質からしてコンボをそこまで急ぐ必要について疑問がありますが、こればかりは実際に使用感を確かめてみないことには断言できません。

異なる可能性としては、Mill型のデッキにおいて居場所を見つけるかもしれません。《コールドライトの託宣師 / Coldlight Oracle》をデッキから2枚引き出す能力と考えれば想像力がかき立てられるのではないでしょうか。いずれにせよ5マナ2/4という高い代償に見合ったリターンを期待するには、サーチされるマーロック/Murloc種族がデッキのキーカードであることが必要となり、ニッチなデッキにおいて需要のあるカードなのは間違いありません。




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《二流の強面 / Second-Rate Bruiser》


使用クラス: 中立
カードタイプ: ミニオン
注釈: 
◆ カード分析
スタッツ、アビリティ共にとても優秀なミニオンです。発動条件のミニオン3体という盤面はごくごく一般的に見られる状況であり、3マナで4/5の壁を置くことはアグレッシブなデッキを牽制するのに大いに役立つでしょう。もちろんMidrange ShamanやTokenミニオンを展開する相手にも有利なトレードを強要させます。vs Aggroカードとしてはかつての《ヘドロゲッパー / Sludge Belcher》に見劣りしますが、このカードには特有の利点があります。

まずこのカードの利用方として最初に考えられるのは、ミニオンを序盤から展開する相手へのカウンターとして3ターン目にドロップすることです。5マナ/4/5Tauntを《練気 / Innervate》で3ターン目に召喚すると思えば十分なほど強力です。加えて、このコスト低減ミニオンはマナカーブ通りに出さなければならないわけでもありません。

ゲーム中盤以降に3マナでのミニオン召喚とセットで別の行動を行う(例えばAoEの使用しボードをクリアする)というテンポスイングも大きな魅力です。何らかのシナジーが無ければTechカードの領域は出ないようにも思えますが、MidrangeからControlまで幅広く採用される可能性が十分にあるでしょう。




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《暗黒街の大物 / Big-Time Racketeer》



使用クラス: 中立
カードタイプ: ミニオン
注釈: Tokenミニオン6/6/6
◆ カード分析
コンボ材料として提供された新カードであることはあからさまです。《若き酒造大師 / Youthful Brewmaster》 / 《ブラン・ブロンズビアード / Brann Bronzebeard》 / 《影隠れ / Shadowstep》 / 《シャドーキャスター / Shadowcaster》・・・etc。強大なTokenを複数生成するカードコンボによって、多大な価値を獲得できる可能性が秘められたミニオンです。

もちろんShamanの《進化 / Evolve》とも非常に相性が良く、Tokenミニオンのマナコストも6マナであるためカード2枚7マナの使用で合計14マナのミニオン価値を期待できるかもしれません。

問題点として考えられるのは、カードコンボを行う手間と遅い時間帯のわりに致命的な状況を作り出すほど強力な効果ではないことでしょうか。




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